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13話 落胤の決断

Author: satomi
last update Huling Na-update: 2025-06-29 07:33:57

「シェイク。俺は陛下と一度向き合って話してみる」

「それは重要だな。母上には話してあるのか?」

「……まだ話してない……」

 とりあえず、相談しましょう。

「フィル、随分大胆になったわね?なんか心境の変化でも?」

「流石です。そうですね。色々と……」

 二人でコソコソ話している……。ズルい、俺も混ぜろよ。

 そして王宮に行った。今回は一人で向かった。……というか俺が置いていかれた。母上と行った。保護者付きだな。うん。

「よくぞ来てくれた。ということは王位継承の件でだな?」

「はい。恐れながら王位継承権は放棄したいと思います。私はこの身をハノーバー伯爵家に捧げる所存でございます」

「うーむ、決意は固そうだな。どうしようか?国を潰すわけにもいかない……」

「恐れながら!王位継承権を持っている貴族は他にもいらっしゃるでしょう?その方にお任せするのが良いかと思います」

 流石シェイクの母上!ナイスアシスト!一緒に来てもらってよかった。俺一人だったらなし崩し的に王位継承権を認めてそのまま王宮に留められそうなところだよ。

「話は以上ですので、御前失礼いたします」

「―――で?フィルは王位継承権を放棄してきたんだな?」

「しつこいなぁ。しつこい男は嫌われるよ?ハミさんは大丈夫かな?」

「ハミは関係ないだろ!」

 突然の発言に俺は動揺してしまった。

「あ、シェイクの母上には助けられた。流石はシェイクの母上だよね~って感じだった」

 なんかわかってしまう自分が悲しいがそうなんだろう。

「シェイクは心置きなくハミさんと婚約してください。俺はシェイクの右腕として生活してくよ。いい?」

 うーん、可愛い顔でおねだりチックな事をされるとなんともなぁ。

「わかったよ。フィルはレーカと婚約するんだぞ!……こっちの方が難しいと思うんだけど?」

「レーカ?何で?」

「いやぁ、だってレーカはフィルの事大好きだからさぁ」

「俺は何とも思ってないんだけど?」

 おおぅ。レーカ物凄い撃沈。海の底まで沈んでいく様が想像できた。

「俺は俺が「この娘だ!」って子と婚約したい」

「おお、頑張れよ」

 レーカ、ご愁傷様。

その後の俺らは……

 俺、シェイクはハミと結婚しました。平民?それがどうした!俺はどうぶつの森の次期伯爵だ!……とハミの家の人の了承を得ました。

 夫婦仲は良好。2男2女を育てています。母上がハッ
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